キョコウとゲンジツのハザマで

お芝居というのはフィクションなのだから、現実とは違う。

というのはもちろん、みんなアタマではわかっているようで…


今日のテーマは「言葉でイメージする」


唐突ですが、昨今、誰もが画像や映像を手軽にあつかえるようになり、活字より伝わりやすいってことでコミック形式の教材なんかも増え、純粋に「言葉だけ」で伝える機会が減っているような気がするのですね。

一方で、子どもの頃を思い出すと不思議なのですが、活字を追うだけで見たこともない情景が目に見えるように浮かんだり、風や匂いまで感じたり…もちろんそれは自分が知っている世界を基に想像しているわけですが…言葉の刺激だけで、実にリアルに感じることができたものです。

映像は「一目瞭然」の世界でこのインパクトは相当なものなのですし、視覚でものごとを認知するタイプの人たちにとっては住みやすい世の中になったとも思うのですが、言葉で世界を描き伝え合うのは、いまのとこニンゲンだけが持ってる能力なので、これはこれで大事にしたいなあと思うわけです。


「犬。」って聞いた時に、どんな犬を思い浮かべてる?

みんなそれぞれ違うわけですね。チワワだったりドーベルマンだったり、毛の色も長さも、首輪をしているか、座っているか、尻尾を振っているか。

その、自分が思い浮かべたイメージを、詳しく丁寧に言葉にして相手に伝えます。


言葉で詳しく伝えてみるその2。


部屋の中にあるものを動かして

こんな風に

ちょいとセッティングします。


なんとも言いようがないかんじですね。

それらをいちど元に戻し、


この写真の通りの「オブジェ」を正確に再現させるべく、

担当のふたりが、言葉だけで指示していきます。


「あの、電話の近くにある、木の椅子っていうか、真ん中が空いている四角のやつを、舞台の前の左?いや右の端っこにつけて…」


して、これがやってみると意外にやっかい!

言いあらわし難いモノとか位置関係を、どう言葉にするか。

「椅子を窓から離して置いて…」

「どれくらい?」

「えーと…ちょっと」

「ちょっとってどれくらい?わかんないよー」

もちろん写真を見せちゃえばとっても簡単で正確なんですが、こうやって相手にわかるように言葉で伝えるってことは、つまりは相手の立場にたってものを見る、ってことなんだな、ってわかってきます。


今日のメイン!

インプロでよくやるエクササイズ「Yes, I am!」

即興で「役」やフィクションの世界に入っていく最初の一歩。

とっても簡単にみえて、なかなか味わい深い。


「あなた、学校イチの秀才なんですよね」とか、「馬飼ってるんですよね」とか「昨日迷子になったんですよね」とか「夜になると尻尾が生えるんですよね」とか、要はあることないことを相手にふってあげます。

言われた人は、「そうなんですよ〜!私…」ともらった設定をそのまま繰り返して、受け止めてみます。

それだけなんですが、やってみると意外にも、なぜか、(オトナもコドモも)思わず「ううん、ちがうよ」って反応しちゃう人がしばしば(笑)

もちろん、すぐに「そうなんですよ〜」って切り替えられるようになりますけど、もうひとつのポイントはここ。

「コトバだけで機械的に復唱してもなんも意味がない」ってところです。

言葉を復唱しながら、どれくらい自分の想像力が刺激されるか、ってことですね。うまいことスイッチが入ると「迷子になって泣いてたら、やさしいおねえさんが交番に連れて行ってくれてちょードキドキした!」とか、その先がまるでほんとに体験したことみたいに生まれてきます。


で、このやり方で、ひとりひとりに架空のインタビュー。

なかでも、最初は「え…ちがうよ?」って言ってたおちびちゃんが、最終的にはいちばん設定の中に入り込んで、自分が見たもの聞いたものを詳しく話してくれたのが印象的でした。

フィクションなのに、話しているうちにドキドキしたりわくわくしたり、心が動き始めます。

みんなそれぞれ、神隠しにあったり、目ん玉がとれちゃったり、裸でプールで泳いだり、とんでもない冒険をしました。座ったままで。


そして言うまでもないことですが、フィクションの世界に没頭していろんな感情を味わうことと、現実とフィクションを混同してしまうことはまったく違うことでして、この線引きがきっちりできてないと、わけのわからないことになっちゃいます。

「自分」というものと、「役」、ひいては社会の中での「立場」や「役まわり」、これらがイコールになってしまわないこと。

「自分」と「他者」、「現実」と「架空」や「想定」の世界。この間にある線を、はっきりわかって、またいで行き来できること。

(昔見せていただいた、イギリスのナショナルカリキュラム(≒学習指導要領)の最初の過程、6歳の欄にも「自分と役の区別がつくこと」という項目がありましたっけ。)

「暴力的なドラマをみると子どもが真似しちゃう」というような話を聞くたびに、ドラマが問題なんじゃなくて、それとこれを区別できないままにしていることが問題なんじゃないのかなあ、と思うわけです。


こどものためのドラマスクール沖縄では、新しい仲間をいつでも募集中。

年度や月の途中からでも入会できます。

レッスンは毎週日曜日 10:10-11:50、那覇久茂地の「ゆかるひホール」にて。

体験・見学はいつでも可。

ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください♪

info@kodomo-drama.okinawa

こどものためのドラマスクール Okinawa

沖縄初 小・中学生専門の演劇教室

0コメント

  • 1000 / 1000